この物語はフィクションです。

はじめてではないでしょうか。お金を払ってジブリ作品を観るというのは。テレビの再放送や学校教育の一環では何回か観た気はしますが、最新作を映画館でというのははじめてです。
つまりそんな人が書くレビューなので、好きな方にとってはあまり気持ちいいレビューにはならないかもしれません。

コクリコ坂から −ストーリー−
公式サイトでここまでネタバレしてるとは…

以下、感想。


1963年、東京オリンピックを翌年に控え経済成長中の横浜がこの作品になります。
戦争も終わり活気にみなぎった古き良き日本といった感じ。

もし同じ時代の男女を村上春樹が描いたら「ノルウェイの森」になっていたのでないかとおもう。もちろんそこまで露骨ではないが、この作品の4年後を描くことがあればあながち間違った世界観じゃないだろう。

一番のメインは惹かれ合う二人。
そして、その間にある障害を乗り越えて…とまるで昼ドラのような作品だった。フォローするなら昼ドラのように深い訳じゃなくてあっさりしたモノというのが救いであり、物語に深みがないという見方も出来る。問題はここだろうな。

日本のファミリーアニメの分野では、和製スティーブン・スピルバーグのような存在になってきた宮﨑 駿の息子の2作目。
登場人物はまるで父親の世界観のテンプレを使ったかのような感じのキャラクターのオンパレードで、声優のクチパクはあって無くても効果音はホントにすごい。実際の生活でもそこまで意識しないような効果音を細かく入れてきてる。要するにくどい。
息子が作っても父親と同じ世界観なら誰が作っても同じじゃないかと思ったのはオフレコで。

絵はものすごい綺麗だし、音楽も良い。
挿入歌なんて感動モノだし、時代背景の古き良き日本に落ち着きを感じるのは飼い慣らされてる証拠かもしれないが、一種の理想郷的な雰囲気も感じた。
ストーリーも言うほど悪くないし、90分の時間で綺麗にまとまっている。
…ただ、言うなれば小綺麗にまとまりすぎてコンパクトになってしまっているのが問題だろうか。
村上春樹作品を読んだあとにこういう映画を観ると、なんでS○Xしないのか不思議に思ってしまう…もちろんこれはジブリ作品だから天地がひっくり返っても無いだろうけど。

よくよく考えればこういう毒のない映画もたまには良いかなって思った;p